旅の終わりの寂しさを力に変えてくれた運転手さんの言葉

旅の終わりの寂しさを力に変えてくれた運転手さんの言葉

「なんで寂しいんです?また来ればいいじゃないですか」

帰りのフライトが近づく

旅の終わりが近づくと、寂しい気持ちになる。

あなたもそんな経験はありませんか?

「なんで寂しいんです?また来ればいいじゃないですか」

そんなとき笑ってこう言ってくれた、タクシーの運転手さんとの物語。

旅の終わりの割りきれない気持ち

泊港

沖縄を10日間旅したときのこと。

沖縄本島~渡名喜島~座間味島~粟国島と渡った。

行く先行く先で人に恵まれ幸せだなと思う反面、別れがとても辛かった。

旅の最終日、粟国島から泊港に戻ってくると、そこには那覇在住の友人の姿があった。

その子は今回の渡名喜島の旅で出逢った女の子で、同い年ということもありすぐに意気投合。

私はまだ旅が続くからと涙のお別れをしたのに、またすぐ会えるなんて思ってもいなかった。

『おかえり!粟国どうだった?空港までは一緒に行けないから、はい、これお土産!』

彼女がそんなことをしてくれるもんだから、寂しい気持ちがふたたび湧き出てくる。

「ありがとう、帰りたくないよー」とぐずぐずする私。

『ほら!飛行機乗り遅れちゃうよ!タクシーで行きなー!』

そう言って彼女はタクシーを止め、私と荷物を押し込むと『またね!』と言って車から離れた。

ドアはあっさりと閉められ走り出し、遠ざかってゆく彼女に一生懸命手を振った。

タクシーの運転手さん

空港に向かう

姿が見えなくなると、今度は今回の旅でお世話になった人たちの顔が次々と浮かんできた。

寂しさのあまり、ついわたしは「うぅ~、寂しいです」と運転手さんにこぼしてしまった。

『なんで寂しいんです?楽しいこといっぱいあったんでしょ?』

「楽しかった分、お別れが辛い」

『また来ればいいじゃないですか。きっと変わらずに待っててくれますよ』

「…そうだといいな」

『だからあなたも元気でいないとね』

運転手さんはそう言ってにっこりした。

寂しさを生きる活力に

それから空港に着くまでは会話をせず、でもそこに流れていた空気は穏やかで心地がよかった。

降りるとき運転手さんは『また、待ってますよ』とだけ口にし、ふわりと行ってしまったのだが、乗ったときの寂しい気持ちは私の中から消えていた。

消えていたというよりは生きる活力に変換されたそんな気がする。

『寂しさを力に』そう教えてくれた運転手さんにありがとうを伝えたい。