写真に写った先人からのメッセージ

写真に写った先人からのメッセージ

はじまりは、兵隊さんに見えたこと。

草むらに隠れる兵隊さんに見た写真

この写真はわたしにとって衝撃的だった。

2012年に、日本最南端の有人島『波照間島』でなにげなく撮影したものなのだが、夜に宿で見返したとき「ん?」と思った。

白い道の左側の草むらに、銃を構えた兵隊さんが隠れているように見えたからだ。

どこをどう見たらそんな風に見えるの?と言う人がほとんどだと思うが、そのときわたしにはそう見えてしまい、拡大してようやく枝葉だったことを知りホッとした。

しかし、これはメッセージだったと翌日になって気づく。

翌日出逢った、島唄に込められた想い。

波照間の朝

写真を撮った翌日、波照間島を出て高速船で空港のある石垣島へ戻った。

石垣空港から羽田空港に向かう帰りの飛行機内でのこと。

わたしはJTAさんが発行している『coralway』という機内誌を読んでいた。

機長さんのコラムや旅の情報が掲載されており、乗るときの楽しみのひとつである。

楽しみにページをめくっていると、THE BOOMさんの名曲『島唄』の歌詞の意味という文字が目に飛び込んできた。

ページには島唄の歌詞がつづられ、そのわきにフレーズごとの意味が添えられていた。

それは、とてもとても考えさせられるものだった。

なぜならこの曲は、ひめゆりの塔で出逢ったおばあさんへと贈った歌だったから。

ヴォーカルの宮沢さんが、かつてひめゆり学徒隊として沖縄戦を経験された、あるひとりのおばぁさんにと作られたそう。

わたしはこの曲が大好きだ。

しかし、歌詞の意味や込められている想いについて知ったのは、このときが初めてだった。

これらは先人からのメッセージ。

足跡

沖縄の歴史。

これまで何度も沖縄にお邪魔しているのに、なんにも知らない自分が恥ずかしくなった。

そんなときふと、昨日撮った写真が頭をよぎり、こんなことを思った。

「そうか…あのとき兵隊さんに見えたのは、『ちゃんと勉強しなさいよ。』という先人からのメッセージだったんだ…。」

写真のことと島唄のこと、このふたつの出来事がつながった。

受けとった後の自分

朝のニシ浜

このときから、モノの見方が少し変わった。

物事には奥行きがあること。

「物語」や「背景」に目を向けるようになったこと。

自分が今いるこの場所は、昔どんなところで、どんな人が歩いたんだろう。

これにはどんな想いが込められてるんだろう。

これは何のメッセージなんだろう。

旅に出て、暮らしている人や同じ旅人がくれた言葉が妙に気になってしまうことも増えた。

今こうして記事を書かせてもらっているのも、これは形に残したい、未来につないでいきたいと思うようになったのも、ここからつながっている。

旅先で撮ったたった1枚の写真が、人生が大きく変えてくれたのだった。

目には見えないものだけど、勝手な思い込みかもしれないけど、そういうものに敏感でありたい。