かめーかめー攻撃、暑い日のちんすこう

かめーかめー攻撃、暑い日のちんすこう

女将さんのやさしさ

食堂

「これ食べなさい」「これもおいしいよ~」「はい、これもどうぞ~」

こんな風に、おいしいものを山ほどススメていただいたことが多々ある。

その優しさに、お腹だけでなくココロもいっぱいになる

喉がカラカラになるほど暑い日にちんすこうをススメてくれた、粟国島のおばぁちゃんとの物語。

「かめーかめー攻撃」とは

盛りだくさんのごはん

‟かめーかめー攻撃”という言葉、みなさん聞いたことありますか?

「かめーかめー」とは沖縄の方言で「食べなさい」という意味。

みなさんのおばぁちゃんもそうかもしれないが、沖縄のおばぁちゃん方は「攻撃」と言われるほど次から次へとお料理をススメてくださる。

それは『お腹いっぱい食べてほしい』という願いから。

「戦争中は食べたくても食べられなかった。戦争が終わってからもそうだった。もうそんな思いはしたくないし、してほしくない」

辛い食糧難を経験をされたおばぁちゃんたちの愛情なのだ。

「ちんすこう」とは

ちんすこう

‟ちんすこう”とは沖縄の伝統的なお菓子。

ラードとお砂糖をたっぷり使った焼き菓子で、お土産としても人気だ。

最近は塩味や紅芋、パイナップルなど様々な味が登場している。

食べたことがある人はご存知のとおり、基本ポソポソしているためとても喉が渇く

女将さんによるかめーかめー攻撃

痛いほどの日差しの中を歩く

6月に沖縄県 粟国島を旅したときのこと。

那覇からフェリーで2時間の船旅を終え、港から歩きで民宿へと向かう。

この日は梅雨明けするかしないかとニュースで話題になっていたときで、日差しが痛いほどよく晴れていた。

民宿までは歩いて5分、しかし荷物の重さと暑さですでに喉がカラカラ。

フェリーに持ち込んだ飲みものはもう飲み切ってしまったので、宿に着いたらお水をもらおうと思いながらせっせと歩く。

宿に着き挨拶をして中に入ると、女将さんはお手伝いさんと一緒に食堂でひと休みしていた。

『暑かっただろうねぇ~。はい、これでも食べなさい』

そう言って差し出してくれたのは、器にたっぷり盛られたちんすこうだった。

さ、さすがに今ちんすこうは口にできない…。とにかく喉が…。

「ありがとうございます。うれしいけど今すごく喉が渇いてて。あとでいただきますね」

わたしがそう伝えると、すかさず女将さんはこう言った。

『遠慮しなくていいさ~。○○さんがたくさん作って持ってきてくれたからねぇ。ほら~おいしいよぉ』

ニコニコしてススメ続ける女将さんに申し訳ない気持ちでいっぱいになりながらも、まずはお水をとお願いした。

『あ~、お茶いれましょうねぇ。これでも食べて待ってなさい。アンタこれ嫌いか?』

女将さんが悲しそうな顔をしている、たぶんこれを食べないと先に進まない気もしてきた、そう判断したわたしはひとつ口に頬張った。

『どうかね?おいしいか?』

「おいしいです~、ありがとうございます」

『じゃぁこれ袋に入れようねぇ、お部屋で食べなさい』

そう言って満面の笑みで袋にちんすこうを詰めてくれた。

『お部屋は2階の好きなとこ使って~』

お茶のことはすっかり忘れているようだったので、わたしは2階に上がって水道に直行し、ニヤニヤしながら水を飲んだ。

そんなおちゃめな女将さんが大好きだ。