「いのちひとつ」石垣島にいる師匠の教え

「いのちひとつ」石垣島にいる師匠の教え

海でもらった言葉

海

石垣島で出逢った海の師匠は、海に入る前にこうつぶやく。

「いのち、ひとつ。よろしくお願いします」

初めてこのつぶやきを耳にしたとき、わたしのココロはキュッとなった。

師匠と行動を共にする中でハッとすることや考えさせられる機会がたくさんあったのだが、このときの感覚は今でもよく覚えている。

楽しさが勝り、つい忘れてしまう海の怖さ。

海とのつきあい方を見直すきっかけをくれた、師匠からの言葉。

師匠との出逢い

石垣島の海

師匠と出逢ったのは2011年7月、わたしが初めて石垣島を訪れたときのこと。

島内のとある浜を散歩中、その浜を守っている人たちに出逢った。

師匠はその中のひとり。

そのとき交わした少しの会話だけで、海を愛していることがよく分かった。

『生活の中心は海』そんな生き方がカッコよく、出逢ってすぐにもかかわらず憧れの存在に。

もっと話が聞きたくて、もっと話がしたくて、それから石垣島へ行くたびにちょこちょこお世話になっている。

師匠はわずかな時間さえあれば海に連れてってくれ、サーフィンをはじめ、素潜り、ビーチコーミング、岩場の散策とアクティブに動いたり、ただただぼんやり海を眺めに行ったりもした。

「いのち、ひとつ」

石垣島での海遊び

 

初めてサーフィンをした日のこと。

美しい海を目の前に「これからこの海で遊べるんだー!楽しみー!」とわたしはウキウキ。

すると突然、ぼそっと声が聞こえた。

「いのち、ひとつ。よろしくお願いします」

海を見つめながら波打ち際に立つ、師匠の声だった。

その言葉を聞いて、さきまでウキウキしていたココロがキュッと引き締まった。

「命はたったひとつしかない。海に入るときはそれなりの覚悟を持たないと。生きてることはあたりまえじゃないんだよ」

師匠は黙り固まるわたしに向かってそう言うと、サーフボードに腹ばいになり、沖に向かってパドリングを始めた。

わたしも同じようにつぶやき、一礼をしてから後を追った。

「海は楽しい。でも、怖さを忘れてはならない。人間なんて自然のチカラには敵わないんだから。かといって隔たりをつくることは違うと思うんだ。共に生きていく道を探さないと」

波打ち際に立つと、今でも必ずこの言葉たちを思い出す。