バスに乗り遅れたから出逢えた、下甑島のタカエビ漁師さんと観光案内所のお姉さん

バスに乗り遅れたから出逢えた、下甑島のタカエビ漁師さんと観光案内所のお姉さん

出逢いのきっかけはバスに乗り遅れたこと

初めての甑島

失敗したときやトラブルが起きたときは、ひどく落ち込んだり悔やんだりする。

でも、あとになってみると『あぁ、あのときのアレはこのためだったんだ~』と思うことがほとんど。

そう、すべてはつながっている。

今回は、バスに乗り遅れたことがきっかけで出逢えた、下甑島のタカエビ漁師さんと観光案内所のお姉さんとの物語。

港でバスに乗り遅れる

港

初めて下甑島を訪れたときのこと。

フェリーを降りたら民宿の近くまでバスで移動しようと思い、事前にバスの時間をチェックしていた。

にもかかわらず、私はバスを逃してしまった。時間を間違えて覚えていたのだ。

お世話になる民宿は、瀬々野浦(せせのうら)という集落にある。

今私がいる港は島の東側、瀬々野浦集落は島の西側に位置しており、移動するには車でも30~40分ほどかかる。

その間、山を越えるので、歩きという選択肢はなかった。

次のバスまでは2時間ほど、港の喫茶店も営業時間は終了してしまったし、周りにもお店は見当たらない…。

さてどうしようかと思い、私は港の観光案内所を訪ねた。

かけ込んだ観光案内所での出逢い

ターミナル

スタッフのお姉さんに事情を話すと、島のことをいろいろ教えてくださった。

そのあたたかな対応にすっかり元気を取り戻し、逆に乗り遅れてよかったとまで感じている自分がいた。

『あ!今の時間ならタカエビの選別を見学できるかも!すぐそこに船が停まっているので、よかったら行ってみてください』

しばらく話した後、そう教えてくれたお姉さん。

突然いいのかなと思いながらも胸の高まりが抑えきれず、教えてもらった場所に行ってみることにした。

お姉さんは『バスに乗り遅れないように戻ってきてくださいね~』と言って見送ってくれた。

タカエビとは?

ひとつひとつ丁寧に

正式名称はヒゲナガエビ。

鹿児島県では『タカエビ』や『薩摩甘エビ』と呼ばれている。

半透明な赤色ボディがなんとも美しく、まるで宝石のよう。

そんな彼らは水深400mの深海でくらしており、甑島の中では下甑島の長浜港でのみ水揚げされている。

クリーミーな甘さプリップリの食感がたまらないタカエビ。

自然と顔がゆるんでしまうおいしさです。

(ちなみに私はお刺身でいただくのが一番好きです。島でいただく獲れたて新鮮タカエビ、ぜひ一度味わっていただきたい。)

お姉さんがくれた漁師さんとの出逢い

漁から港に戻り船の上で選別作業

教えてもらった場所に着くと、停泊している船の上で作業をする漁師さんの姿があった。

船の名前は『鷹丸(たかまる)』、迎えてくださったのは船長の下野尚登さん

甑島でタカエビの操業許可を得ているのはわずか5隻で、『鷹丸』さんはその中の1隻。

突然お邪魔したにもかかわらず船の上にまで案内してくれ、タカエビ漁のこと、海のこと、島のことを教えてくれた。

起こることには意味がある

その翌年、再び島を訪れた私は下野さんのもとでタカエビの選別作業を体験させてもらうことになる。(選別作業体験でのことはコチラ。)

あのときちゃんとバスに乗っていたら、お姉さんとの出逢いは無かったかもしれない。

もちろん、漁師さんたちとの出逢いも無かったかもしれない。

バスに乗り遅れたのは、きっとこの出逢いのためだったんだ。

そのときは分からないから悲しくもガックリもするけれど、すべてはここにつながっていたんだとあとから気づく。

起こることすべてにちゃんと意味がある。