片道25時間半の船旅!小笠原諸島 父島行きのフェリー・おがさわら丸乗船レポート!

片道25時間半の船旅!小笠原諸島 父島行きのフェリー・おがさわら丸乗船レポート!

2015年秋、私は小笠原諸島 父島を訪れた。

東京から南に約1000Km離れた場所にあり、2011年にはユネスコ世界自然遺産に登録された小笠原諸島。

東洋のガラパゴスと呼ばれる美しい南の島でありながら、なんと住所は『東京都』。旅人の間では『海外より遠い東京』とも言われている。

その理由は、アクセスの悪さから。小笠原諸島には空港が無く、島に渡る交通手段は基本1週間に1便運航のフェリーのみ。しかも片道25時間半かかる。(2016年7月2日から船が新しくなり、乗船時間が片道24時間へと短縮された。)そう、まる1日船に乗っていなければならないのだ。

小笠原への旅を決めてからも、私はこの『まる1日船の上で過ごす』ということへの不安感が尽きなかった。もしかしたら、この記事を読んでくれているアナタも、そうだった or 今まさにそうである、かもしれない。

今回お届けするのは、おがさわら丸 乗船レポート!!

私が旅前に『小笠原諸島  フェリーでの過ごし方』とネットで検索しまくり、先輩方から予習させていただいたように、私の悲惨だった船旅談が、今まさにそうであるアナタの役に立てたら幸いだ。

いざ、乗船!

おがさわら丸

小笠原行きのフェリーは東京都の竹芝桟橋が乗降場となっている。

チケットは6つの等級(特等室・特1等室・1等室・特2等寝台・2等寝台・2等和室)から選ぶ。最上級の特等室は大人片道76,920円、一番下の2等和室は大人片道25,820円。(H29.8月現在)もちろん私は行きも帰りも2等和室を選択。

2等和室は大きな部屋に薄いマットがほぼすき間なく並べられており、そこで雑魚寝するタイプ。今は船が新しくなって、お隣との間に顔の部分だけ仕切りができたそうだが、私が行ったときはまだなにもなかった。

数は限られているがレディース室がある、ただし先着順。と聞いていたので、出港時間より2時間早く竹芝桟橋に着くように移動し、列に並んだ。

竹芝桟橋

なのにすでにこんなに人が!!!出遅れた感が満載。ナメていた。果たしてレディース室に入れるのか…。

乗船

ようやく乗船時間がやってきた。目の前のカップルの記念撮影を手伝ってあげたらとても喜んでくれたので、私もうれしくなった。でも戦いはこれからだ!レディース室!!

入口で船員さんに「レディース室をお願いします」という。もらえたチケットは…レディース室だった!!!ホッ。

まだまだ乗船する

荷物を置いてさっそくデッキに出てみると、乗船する人の姿が見えた。一体何人乗るのだろう…。

おがさわら丸、出港!

2代目おがさわら丸

汽笛とともに、船がゆっくり動き出した。しばらく陸地を踏めないのかとしみじみ。

電波が入らなくなる前に、母にメールを送った。

東京湾を望む

船は徐々に加速し、あれよあれよと東京湾の全貌が明らかになってゆく。海は、海と思えないほど汚かった。

デッキに出てる人はまだ少なく、騒ぐ人もおらず、それぞれ物思いにふけっているようだった。みんなどんなことを考えていたんだろう。インタビューしてみたい。

乗船から2時間

四方は海

しばらくすると四方が海になり、あちこちで少人数の宴会が始まった。私はそのまましばらく船内に戻り、持ってきたおにぎりとカップスープで昼食をとった。そのとき隣に座っていた美人お姉さんと仲良くなり、「夜にまた合流して飲みましょう!」となった。

うれしいなぁと思いデッキに戻ると、ベンチで隣になったお兄さんと仲良くなった。なんと島での宿が一緒ということが判明し盛り上がる。よかったらと夜の飲み会にお誘いした。

やがて携帯電話の電波が圏外になり、それがなんだか新鮮だった。

この日はとても日差しが強かったので、読書を1時間ほどで切り上げてお昼寝タイム。乗船前の不安はどこに行ったのかと思うほど、ぐっすり眠った。

乗船から7時間

夕暮れどき

夕日は欠かせない!と思いセットしていたアラームで目を覚ます。ゆるゆるデッキに出ると人はまばらで、なぜ夕日を見ないんだと思ったら、空は雲に覆われていた。それでも雲のすき間から見える空は美しく、手すりに肘をかけてぼんやりしていた。

小笠原限定のパッションフルーツサワー

その後はお待ちかねのゆんたくタイム!お姉さんお兄さんと合流し、お酒を買ってデッキへ!

星を眺めながらおしゃべりし、船内のラウンジに移動。

島ラム

ラウンジには小笠原の島ラムが置かれており、せっかくだからとコーラ割で注文。船内は22時に消灯なので、それまでおしゃべりを続けた。

…がしかし!!!この島ラムが悲劇を生む!!!

乗船から12時間(悲劇の始まり)

島でまた会おうねと言って解散し、ひとり部屋に向かって歩いていると急に吐き気が…。船酔いではない。これまでに味わったことのない胃への違和感…私はトイレにかけこんだ。

これまでにお酒に酔ってトイレとオトモダチになったことはなかったが、きっとこれがそうなんだと思った。こんなにツラいことだったなんて、バカにしててごめんなさいと心で叫ぶ。

一体何分いたんだろう。とにかく眠ろうと思い部屋に向かって歩きだしたが、やっぱりダメだった。なんとか部屋に戻って仰向けになったが、今度は船の揺れが激しくてふたたび胃から危険信号が!飲まずにいた酔い止めを口にするが、こうなってから効くはずがない。夜の間、部屋⇔トイレの往復が続いた。

長い長い夜だった。

乗船から19時間

朝日を見るため、まだ気分の優れない身体をなんとか起こし、シャワーを浴びる。下を向くと胃が危険なので、ひたすら上を向いていた。

船からの朝日

デッキに出ると、すでにたくさんの人がスタンバイしていた。いつでもトイレに行けるよう、後ろのほうで日の出を待つ。お願いだ、揺れないで!!と冷や汗。

残念ながら水平線には雲がかかっていたので、少し上の方で太陽こんにちはとなったのだが、とてもとても感動した。船の上から朝日を見るという夢が叶った。

しかし身体は耐えられず、余韻に浸る間さえも許してはくれなかった。胃は空っぽなのに朝からトイレにこもる。

乗船から25時間

落ち着いてきた頃「まもなく、二見港に入港します」のアナウンスが入った。どうやら30分くらい早く着くらしい!涙

私は荷物をまとめてデッキへ出た。重い身体に、重い荷物(フィンとシュノーケルセットも持参していたので8キロくらい)が堪える。

二見港

島影を見たとたんしゃべる余裕が出てきて、近くにいた気さくなイギリス人男性とおもしろいバードウォッチャーさんと仲良くなった。うれしいことに、このときの出逢いは今も続いている。

父島 二見港、到着!

二見港

25時間の船旅を終え、無事(?)に上陸!!!陸地に降り立ったときの感動は忘れない。

降りてからもしばらく足元ふわふわが続いていたが、気分はだんだん良くなっていった。

でも、あのツラさを味わってしまったので、島ではほとんどお酒を飲まず、自重して過ごした。おかげで帰りは、行きの分まで船旅を楽しめましたとさ。

これから、おがさわら丸に乗られるみなさまへ

どうか、お酒の飲み過ぎには気をつけて、楽しく、快適な船旅を!!

素敵な旅となりますように!!